神道政教分離神道合憲論・大嘗祭合憲論                                                                  ・  政教分離を規定する憲法第20条3項は皇室に                                                                     関連する神道をその対象とはしていない                                                                  ・  見逃されている憲法の中の記紀

                                                                 三島由紀夫研究会 伊

         日本国憲法

           第三章 国民の権利及び義務

         第20条連3項 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もして                                               はならない。

 一、昨年11月30日秋篠宮殿下は「大嘗祭神道の思想と様式に基づいて行われるのであるからそのために国費を充てるのは政教分離を定める第20条3項違反の疑いがあり、従ってそのための費用はこれまでとは異にして極力少額にすべき」とご発言された。しかし政府は、かえって前回より5億円近く増額しつつも、殿下の疑問に何らお答えすることはなかった。というよりも出来なかったのであろう。加えて 政府だけでなくも学説もまた合憲性についての納得し得る見解を示し得ていないのが現状である。                   しかも、このような政教分離条項と神道の関係は、ひとり大嘗祭に限ることなく、この10月に行われる即位礼正殿の儀を始めとする皇室関連の行事、更には例えば玉串料訴訟などで見られるように、政府等公的機関が関与する神社関連の行事では必ずと言って良いほど問題とされ、今後も同様のことが予想されるのだ。それ故 明快な問題解決を求められているのである。

 二、しかし実は、天皇天皇たる由縁と憲法に於ける天皇条項と政教分離条項の位置関係を考慮すれば、結論は容易に出せるのだ。

 先ずは思い起こして欲しいのが、天皇天皇たる由縁である。それは、遥か遠く神武更には天孫たるニニギノミコトを通してのアマテラス大御神の子孫であるとの観念に基づいているという事だ。一方 神道は、その天照大御神最高神とするアマテラス教ともいうべき宗教なのだ。従って天皇制を護持するという事は天照大御神を、更にはアマテラス教たる神道を護持するという事に他ならないのだ。それ故、仮に「政教分離を規定する第20条3項が神道をもその対象としている」とすると、天皇制維持のために国費を用いることは許されない事になり、天皇制は成り立たない事になるはずである。              ところが憲法は反って天皇条項を それも第一章で堂々と定めているのである。とすれば その「整合性」を考慮するとき、天皇条項に後れて第三章で設けられているに過ぎない第20条3項は、「神道については、その対象とする事を―元々―予定していない」と解さざるを得ないのである。                                    よって、神道によってなされる大嘗祭に国費を充てること自体は、何ら「第20条3項違反を問わる事ではない。

 これに対し、玉串料を公費で支払った)「愛媛玉串訴訟」につき、平成9年4月2日に最高裁大法廷が下した違憲判決は、批判されてしかるべきである。

                        以上「日本は神の国」より抜粋

                              平成31年4月15日